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FX小説書いてみたが

1 :Trader@Live!:2008/06/29(日) 01:08:22.09 ID:D6m1hC1w
ここのスレで晒していいものかどうか悩む。板違いなのは承知しているが、
市況2板のネタをちりばめているので、ここ以外だと???となってしまう
のです(´・ω・)

うざかったら書き込みませんし、せっかく書いたので暇つぶしにでもとは
思うのですがいかがなものでしょうか(´・ω・)

2 :Trader@Live!:2008/06/29(日) 01:19:23.28 ID:dD6Tbahk
(⌒‐⌒)

3 :Trader@Live!:2008/06/29(日) 01:20:10.15 ID:cpODst2S
とりあえず土日は暇だから見てみたい。

4 :1:2008/06/29(日) 01:24:22.08 ID:D6m1hC1w
>>3 ありがとうございます。

※この物語に出てくる登場人物・団体はすべて架空のものであり、実在する人物・団体とは一切関係がありません。
※この物語に示してある技法、手法、商品、サービスは全て架空の物です。また、物語内でのFXは現行法と乖離がありますので、実際の売買に使えるものではありませ
ん。

★主要登場人物☆
金毟捕男 FXリバース社社長。宗教法人化を目論む。ゲーム脳でもある。
横良捲夫 FXリバース社ベテラン社員。ほとんど犯罪者。仕事はできるほう。
阿方丸太 FXリバース社新入社員。Fランク私大卒。
直具曲 FXトレーダー。通称”曲げ屋”。巨大掲示板群でコテを持ち始める。



5 :1:2008/06/29(日) 01:26:38.53 ID:D6m1hC1w
タイトル「$ワラジムシ£─ワラジムシでも儲かるFX」

〜第一章〜

 金毟捕男は葉巻から立ち上る紫煙をぼんやりと見ながら、物思いにふけっていた。
今日はいくら儲かるのか。儲けるのではなくて、儲かるという考えだ。振り返ると眼下に
雑居ビルが立ち並ぶ。

「ゴミめらが」

 金毟は嘲るように笑った。とは言え、正面を見ると自社ビルよりも高いビルが立ち並ぶ

6 :1:2008/06/29(日) 01:28:25.86 ID:D6m1hC1w
 思わず舌打ちをした。なあに、そのうち追い抜いてやるさ。金毟は踏ん反り返って座り部屋の
反対側を見た。

 高さ4メートルはある自分の写真があった。堂々と腕組みをして見る者を見下
すポーズをとっている。インターネットの自社のトップページにも同じ画像がこれ見よがしに
貼り付けてある。ウェブサイトを訪れると1分間は自分の写真と会社名やら商品名が
フルスクリーンで表示される仕組みだ。色々と批判があるようだが金毟は気にしない。


 実際のところ、客は羊であり豚であり金毟の狩りの対象でしかないからだ。



7 :1:2008/06/29(日) 01:29:26.08 ID:D6m1hC1w
内線電話が鳴る。秘書の根架からだ。内容はわかりきっている。

そろそろ朝礼の時間だからだ。

それに新入社員が初めてこのFXリバース社の朝礼に参加する日でもある。

きっと度肝を抜かすことだろう。金毟は思わず噴出しそうになった。

社長室とは言え、突然押し入ってくる馬鹿者もたまにいるから油断できないのだ。

8 :1:2008/06/29(日) 01:30:34.34 ID:D6m1hC1w
金毟は鏡をみて、写真と同様のポーズ─腕組みをした。

写真のほうは若干迫力が出るように手を入れてあるものの、そんなには変わらないという自負があった。

何度も何度も練習に練習を重ねたからだ。もし霊能力者がみたならばオーラが見えるに違いない。

金毟はそんなことを考えながらミーティングルームへと向かった。



9 :1:2008/06/29(日) 01:31:23.99 ID:D6m1hC1w
 ミーティングルームにはすでに社員が勢揃いして待機していた。

「おるぁおらぁ、気合いれて挨拶せんかあ!」
 
 新入社員たちが弱々しげな声で叫ぶ。

「お疲れ様であります。押忍!」



10 :1:2008/06/29(日) 01:32:16.42 ID:D6m1hC1w
人事部長の簾架美小がスダレ頭を振り乱しながら、ヤクザ映画さながらの巻き舌で新入社員に激を飛ばしていた。

ありえない・・・金毟は笑いを堪えながら、しかし威風堂々とした威厳を保ちつつミーティングルームのステージへと颯爽と歩いていった。



11 :1:2008/06/29(日) 01:33:24.39 ID:D6m1hC1w
 金毟がステージに立つと、ミーティングルームは暗くなりスポットライトが金毟に当てられた。
仰々しいBGMが大音量で流れ、台座からはモワモワとドライアイスの白い煙が立ち昇る。
この朝礼は全国の支店にもリアルタイムで配信されている。

 彼らは大画面のプロジェクターテレビでこれをみているのだ。そして極めつけである、あの写真の3D版つまりホログラフィーが金毟の背に現れる。
九分九里これでたいていの者は圧倒されてしまう。ホログラフィーの金毟は10メートルはあった。そして全社員を睨みつけるように見下ろしていた。




12 :Trader@Live!:2008/06/29(日) 01:34:26.66 ID:g/WYl9f9
>>1さん。

ありがとう。あなたのような勇気ある創作者が日本には必要なのです。

その試みは賞賛されるべきです。私たちはあなたの味方です。良き読者なのです。

その発表が次の作家を勇気づけ、新たなる作品を生みだす祖となって欲しい。



13 :1:2008/06/29(日) 01:34:30.21 ID:D6m1hC1w

「諸君、星のごとくあるどうでもいい企業の中から我が社を選択したことは人生で最も賢明な
選択であり、慧眼をもっていると言わざるを得ない。自慢ではないが、私は歴史に名を
残すであろう英雄になる。いやそれ以上の存在になるかもしれない。
同志として君たちも歴史にその名を轟かせようではないか!」

 壮大でやや現実離れしたスピーチは10分ほどで終わった。

14 :1:2008/06/29(日) 01:35:19.94 ID:D6m1hC1w
>>12
思いつきの暇潰しですよ(´・ω・)

15 :1:2008/06/29(日) 01:36:23.91 ID:D6m1hC1w
 古参の社員から惜しみない拍手が飛ばされる。新入社員はあまりの迫力と突飛な話で呆然としている者や、早くも感涙の涙を見せている者までいる。
いずれにしても出だしとしては悪くないようだ。

 この朝礼の儀式は人事部長の簾の発案だった。最初は金毟も気乗りしなかったが、じわじわと満たされる権力欲がだんだんと心地よくなり、
演出やら発言もエスカレートしていった。しかし全国に朝礼を配信するシステムを構築するときに、競合他社も同じことをやってると聞いた。
所詮、同じ穴のムジナだと金毟は思った。



16 :Trader@Live!:2008/06/29(日) 01:36:50.64 ID:cpODst2S
登場人物の名前は普通ぽい方が良いな・・・有名人の名前一字もじるとか・・・
日本人ぽくない名前が今一


きっと度肝を抜かすことだろう。金毟は思わず噴出しそうになった。

社長室とは言え、突然押し入ってくる馬鹿者もたまにいるから油断できないのだ。

ここがわからん・・・

17 :1:2008/06/29(日) 01:37:13.27 ID:D6m1hC1w
 朝礼が終わると社員たちはそれぞれの持ち場へと散っていった。またしても簾が巻き舌で怒鳴っているからだ。
人事部長として権力を思う存分発揮できてさぞかし楽しいことだろうと失笑しならがら、金毟は社長室へと戻った。




18 :1:2008/06/29(日) 01:37:56.38 ID:D6m1hC1w
〜第二章〜

「朝礼、迫力あったすね」
「当然や!」
やや興奮気味に新入社員である阿方丸太は横良に言った。

「まあ、最初からわしレベルにはなれんやろうけど、それでも自分の給料分くらいは稼がなあかんで」

 得意げに横良は言った。



19 :1:2008/06/29(日) 01:38:54.89 ID:D6m1hC1w
 もともと横良捲夫の出自は法外な金利で貸付を行う街金だった。トハチというそこいらの街金よりも酷い利息だった。
ただし、横良の場合、その回収能力の低さで街金業界では有名だった。ゆえに、普通ならばカモにする客からも公然と踏み倒され、
同業者からも毟り取られる羽目になった。窮地に陥った横良は株の信用取引で一発逆転を狙ったが次の日にはストップ安で追証が発生し、
何とか損切ったもののその次の日には暴騰していくというホームランを打ちそこなった。

 所謂、曲げ屋であった。

見かねた金主の口入でこのFXリバース社に入社したのであった。



20 :1:2008/06/29(日) 01:40:04.82 ID:D6m1hC1w
 横良は面接時に金毟から問われたことがある。トハチという金利を本当に回収できる見込みがあったのかと。
横良はせいぜい法定内金利を回収できれば良いと応えた。つまり、トハチははったりであると言う事だった。

 まれに、トハチの利息を支払う者もいたが、そういったとき横良は小躍りしてキャバクラなどで盛大な祝杯をあげたものだった。
横良の運営していた街金の損益曲線はジェットコースターのようであり、最終的にはレールが外れて地面にめり込んだようなものであった。



21 :1:2008/06/29(日) 01:40:50.32 ID:D6m1hC1w
 しかし、横良にはある才能があった。それは度を越えた信心深さと、悪く言えば突拍子のない良く言えば独創的な企画力を持つ男だった。
金毟のことを神と呼び、社長室に入るたびにあの腕組み写真に手を合わせる。さらに、現在進行中の根幹をなすプロジェクトの発想はもともと横良が考案したものだった。



22 :1:2008/06/29(日) 01:41:47.66 ID:D6m1hC1w
 そのプロジェクトとは、一つ目はポジションの貸し出し。これはハードルが低い。
顧客に対して、本来ならば何年、もしくは何十年も待たないと建てることのできないような
ポジションを貸すというサービスだ。

もちろん、利息は付くし手数料もかかるが、当日中に利益を上げれば無料という条件付きでもある。
例えば、BOL/FENのレートが100.000だとすると、50.000のポジションを持つことが可能なのだ。

23 :1:2008/06/29(日) 01:43:14.63 ID:D6m1hC1w
 ただし、通常の手数料の10倍、通常のマイナススワップポイントの100倍の利息が発生するので回収は非常に難しい。
だが、全く方法がないわけではない。規制緩和でポジションのユーザー間売買が自由化されたため、こういったポジションにはプレミアムがついて転売されることが多い。
ただし、FXリバース社が独自につくりだしたポジションは直接の借主しか決済できないため、転売されたポジションの場合だと借主またはFXリバース社と取引しないこと
には決済されないのであった。したがって、転売に転売が重ねられる運命にある”糞ポジ”であった。



24 :1:2008/06/29(日) 01:44:13.06 ID:D6m1hC1w
 二つ目は、宗教法人化であった。最大の節税対策である。手始めに金毟の神格化のために写真の販売を始めた。
購入した客には御利益があるというものだ。あの腕組み写真をPCの横に置くだけで勝手に利益がでるというものである。

これを”エキジット”と言う。



25 :1:2008/06/29(日) 01:45:26.03 ID:D6m1hC1w
実際に、一枚100万の写真を購入した顧客に対しては、BOL/FENの現行レートより50〜100pips低いLポジションが偶然に建てられる。
稀に、50pips少ないなどというクレームを入れてくる顧客がいるがそれは神の所業なので制御できるものではないということで無理やり納得してもらっている。
しつこい場合は、-100pipsのポジションを建てるようにシステム側で設定してある。何にせよ、写真は飛ぶように売れている。


 そして、ポジションの貸し出しサービスは今日がトライアルとして実験的に開始される日でもあった。




26 :Trader@Live!:2008/06/29(日) 01:46:00.92 ID:StYIXSTE
主人公の名前が読めないので、勝手にキンショウモウと呼ぼう

27 :1:2008/06/29(日) 01:48:25.01 ID:D6m1hC1w
〜第三章〜

 直具は常にトレンドと逆行することで有名なデイトレーダーだった。

 ヴァーチャルトレードでは大勝することも稀にあるが、現実でのトレードとなると100%曲げてしまう。PCの横には勿論金毟の写真が飾られている。
巨大掲示板で御利益に差があるという投稿を見たときも、真っ先にサポートセンターに電話をかけ、その理由を何時間に渡って問い詰めたこともあった。
その間にZOR/FEN -1.000 Sというありえないポジションが建っていたので、それ以来サポートセンターに激しいクレームを入れるのをやめた。

 一度、メールで恐る恐る問い合わせてみたが、「それは天罰である」という回答だった。



28 :1:2008/06/29(日) 01:49:33.93 ID:D6m1hC1w
 とりあえず、直具はメーラーを起動しメールのチェックを行った。

 FXリバース社からこれ見よがしに【重要】と書かれたメールが目に入った。メールを開くとウィルスソフトが反応したが無視した。
そのタイトルに直具の心が躍った。



29 :Trader@Live!:2008/06/29(日) 01:50:15.57 ID:iaQyUIWG
かねむしりとりお

30 :1:2008/06/29(日) 01:50:39.94 ID:D6m1hC1w
Subject: 【重要】BOL/FEN 50.000 ロングポジション(10000枚)当選のお知らせ
From: FXリバース社
To: 直具 曲様

当社「FXリバース社」では、来月から施行される金融商品取引改正法のに合わせて、更なるサービス向上のため、
ポジションオファーサービス(仮称)をご提供させていただくことになりました。

厳正、かつ公平な抽選の結果、トライアル第1号として直具様が当選されました。弊社、機密情報のためサービス詳細
を全てご説明することは難しいのですが、要するにBOL/FENの通貨ペアで50.000のロングポジション(10000枚)を
一定期間お貸しするというサービスです。

またとない投資機会ですので、奮ってご参加ください。参加される場合は以下のURLをクリックしてください。
申し込み画面へと進みます。

本日中にご回答のない場合は不参加ということで、判断させていただきます。



31 :1:2008/06/29(日) 01:51:35.09 ID:D6m1hC1w
 直具の心が震えた。BOL/FEN 50.000だって?10000枚だと?いつそんなポジション取れたんだ?照和初期か?
さまざまな疑問と不安が交錯したが、すでに手は申し込み画面に進み入力を済ませ、申し込みを完了させていた。



32 :1:2008/06/29(日) 01:52:26.16 ID:D6m1hC1w
〜第四章〜

「きぃいいたでえええぇぇえぇ!!」
「ど、どうしたんすか。いきなり」
「きおったんやあ」
「はぁ・・・」
 横良は高速レスを受け取ったことに、狂喜した。ありえない速さだった。
横良がメールを送信した直後にサーバから申し込み完了のメールが横良の所属する部署のメーリングリストに配信されてきたからだ。

「よし、阿方お前もこい。何事も勉強や」
 呆然とする阿方を引きずりながら横良は踊る足取りで社長室へと向かった。





33 :1:2008/06/29(日) 01:53:35.59 ID:D6m1hC1w

〜第五章〜

 PK Kingこのセンスのないハンドルネームは金毟が虜になっているMMORPG内での名前である。
すでに、クランの所属人数は外国人を含め50000人を超えていた。クランの掲げる痛々しい目標は世界制覇である。

 勿論、ゲーム内での話しではあるのだが。





34 :1:2008/06/29(日) 01:54:23.05 ID:D6m1hC1w
金毟は勤務時間中とくに商談などの応対が無いときはこのMMORPGでPKを行っていた。
アイテムもゲーム会社の責任者を呼びつけ、ゲームバランスを著しく欠いたものを用意させた。
そのため、PK Kingはゲーム内で”One Hitter”のニックネームが付けられていた。




35 :1:2008/06/29(日) 01:55:05.92 ID:D6m1hC1w
 まさにこれから、敵クラン─こざかしくもPK Kingの勢力に対抗するクランとの全面戦争に突入するか否かというときに、
社長室の扉の外側から困り果てた根架の声と横良の喚き声が聞こえてきた。

 さすがに、ボイスチャットは使えないので/tellメッセージを打ち込んで、安全な場所へキャラを移動させログアウトした。





36 :1:2008/06/29(日) 01:55:41.62 ID:D6m1hC1w
/tell group suman kyuuna youji de logout sinaito ikenai
UNKOMAN: haa? majikayo shine
Macro PK: omae itumo konojikan totuzen inakunaruyona w
stunt PK: zakoga wwwwwww
Killer X: dumbass lol

 厨房から罵声を怒りを抑えつつ見ながら、ゲームの画面を閉じた。





37 :1:2008/06/29(日) 01:56:26.36 ID:D6m1hC1w
実際のところ、ログアウトさせたキャラがゲーム内にまだいるため、気になってしょうがなかった。
まだ一度も誰にも殺されたことが無いため、万が一にも他のプレイヤーが殺したならば厨房が喜び勇んで
その画像をアップロードするに違いない。しかもほとんどチート同然のアイテムをもっていることがばれたら・・・。

などと、金毟が考えている間に横良が社長室の扉を我が物顔で開けて侵入してきた。



38 :1:2008/06/29(日) 01:56:57.61 ID:D6m1hC1w
 幸いというか、案の定横良は金毟の腕組み写真に向かって合掌し何やら唱え始めた。
ブラウザを立ち上げニュースのページを開いた。これで何とか体裁は整った。

「社長、何をしてはるんですか?」
「ん・・・、世界情勢のニュースをだな・・・」





39 :1:2008/06/29(日) 01:57:48.64 ID:D6m1hC1w
 まだ、VeForce9905GTX SLI-3way 3枚挿しのカードがPCの背面から轟音を立て排熱を行っている。FXリバース社社内では私的なインターネットの私的使用を厳しく取り締っている。
人事考課で大幅な減点をするだけにとどまらず、インターネット利用料を給料から天引きしているのだ。1秒につき10万円と、インターネットカフェどころの話ではない。

このこと─金毟がMMORPG”ShadowBone”に入れ込んでいること─を知るのは秘書の根架だけである。以前、根架にもゲームに無理やり参加させたが厨房からネカマ扱いされて
それ以来ゲームには見向きもしなくなった。根架は他社のサービスで勤務時間中にFXをやっているが黙認している。ゲームをやってて、他社サービスでFXをするなとは言えなかった。




40 :1:2008/06/29(日) 01:58:37.01 ID:D6m1hC1w
「”曲げ屋”から返事が着たんですわ」
「あ、ああ、そうか」
半ばうわの空で応える金毟。




41 :1:2008/06/29(日) 01:59:16.29 ID:D6m1hC1w
「これがそれですわ」

ざっと申し込み用紙に目を通す。メールの名前欄に”Ponzu”と書かれてある。恐らくハンドルネームか何かだろう。どこかで見たような気がした。

「サービスのトライアルで、モルモット第一号というわけだな。まあ、最初くらいは少しくらい儲けさせてもいいかもしれないな」

 棚からボタ餅。客の射幸心を煽るにはまず広告塔が必要だ。使った経費は数倍にして返却してもらえればよい。







42 :1:2008/06/29(日) 01:59:58.00 ID:D6m1hC1w
「んで、今日からトライアルなわけで、いろいろわしも忙しいから、こいつにサポートというか、任せてみたいねんでっけど」
「まあ、好きにすればいい」
「よっしゃ、お前初日からチーフに昇格や。主任やがな。よかったな」
「まじっすか?」

 あまりの急展開な出来事に分けが分からないといった阿方。

 単純に横良のサボリ癖が出て丸投げしたくなっただけだろうと金毟は思ったが、内心ゲームのことが気になっていてトライアルのことはどうでもよかった。





43 :1:2008/06/29(日) 02:01:03.59 ID:D6m1hC1w
〜第六章〜

 直具はトレード画面を見て狂喜していた。BOL/FENの50.000Lが爆益を更新中だったからである。
神はいると確信した。もりもりと含み益が増大していた。さらにBOL/FENで全力Lを行いトレード画面を閉じた。

まさに、ワラジムシでも買えば儲かるという状態だった。




44 :1:2008/06/29(日) 02:01:58.75 ID:D6m1hC1w
 良いことは連続して起こるものである。直具はMMORPG”ShadowBone”を起動しログインした。
すると、モニター画面にPK Kingがフル装備で突っ立ていた。直具は冷や汗を掻きながら必死で逃げたが様子がおかしい。
追ってこない?いつもなら瞬殺されているが・・・。

 どうやら、AFKなのか落ちてるのか分からないがプレイヤーが見ていないようだ。




45 :1:2008/06/29(日) 02:03:11.68 ID:D6m1hC1w
 すかさず、直具はPK Kingに攻撃を加えた。少しずつではあるがHitPointが減ってきている。
数分間だったが長い時間に感じた。なぜなら、PK Kingを操作するプレイヤーが戻ればいつものように一瞬でHitPointが回復し瞬殺されてしまうからである。

 ついには、PK Kingは直具の前に、アイテムを撒き散らしながら倒れた。

 それを全部拾い集めた。どれも見たことがないアイテムばかりで、しかもチート同然の桁違いのステータスだった。

「このチート野朗のアイテム厨め!」

 直具はPK Kingの死体の上で小躍りし、中指を突き立てるシーンをスクリーンショットに収め画像アップローダに煽り文句とともに投稿した。





46 :1:2008/06/29(日) 02:04:01.57 ID:D6m1hC1w
〜第七章〜

 金毟は横良と阿方が社長室から出て行くと、すかさずゲームを起動しようとした。しかし、すぐにブルー画面に切り替わり、Errorコードを吐き出していた。
舌打ちしながら、強制的に電源を入れなおした。今度はOS自体が起動しなくなった。社員用のPCではなく、ほとんどがマニア向けの特注品で構成されたPCだったので社内のSEを呼びつけて修理させるわけにもいかない。

しかたなく、Errorコードをメモして根架に調べさせた。1時間くらいしてOSをクリーンインストールせざるを得ないことが判明した。




47 :1:2008/06/29(日) 02:05:06.85 ID:D6m1hC1w
「もう社内システムにM$製品は使わん!使わせん!」

誰に言うわけでもなく、そう叫びながら金毟はOSのインストールの進捗状況を食い入るようにみていた。
OSのインストールが終わるとすかさず”ShadowBone”のDVDをケースから取り出し、これまたインストールした。そしてUSBメモリを取り出し、キーバインドの設定やらを上書きした。

細かいことを気にし始めるとまだ準備が足りないが、まずはマイキャラを安全な場所へと移動させる必要があった。


Loading・・・の表示が1時間くらいに感じた。





48 :1:2008/06/29(日) 02:06:05.41 ID:D6m1hC1w
ゲーム画面が表示されると、金毟は絶句した。PK Kingのアイテムがなくなり、素っ裸で街の中に立っていたからである。
しかも敵陣の真っ只中だった。

メッセージウィンドウには数年間かけて拡大してきたエリアが数時間で取り返されたと厨房たちの絶叫メッセージと、敵Clanの勝ち誇ったメッセージで埋め尽くされていた。

眼前が真っ暗になり、すぐにゲーム画面を閉じた。





49 :Trader@Live!:2008/06/29(日) 02:06:29.05 ID:o8r5aOGr
なかなか面白い。MMOしたくなってきた

50 :1:2008/06/29(日) 02:06:51.75 ID:D6m1hC1w
ゲームの最大コミュニティサイト"ShadowBone Balt"へアクセスした。すぐに何が起きたのかを理解した。

Todays ScreenshotにPK Kingの死体の上で中指を突き立てているスクリーンショットが表示されていた。タイトルには"Ponzu owned PK King LOL"と書かれていた。

自Clanの掲示板を見ると”雑魚くせええええううぇwっうぇえwwWWww”というタイトルのスレッドがあり、数千件のレスで炎上していた。





51 :1:2008/06/29(日) 02:07:19.89 ID:D6m1hC1w
金毟は震える手をマウスから静かに手を離すと、内線電話を手に取り、怒りを押し殺した声で言った。
「横良と阿方をすぐに呼び出せ」




52 :1:2008/06/29(日) 02:07:57.65 ID:D6m1hC1w
〜第八章〜

「すごいっすね。まさに、ワラジムシでも買えば儲かるって感じっすよ」

直具の取引口座の含み益が増えていく様子を眺めながら、阿方は言った。

「まあ、トライアルやからなあ。しょうがないっちゅーか、なんちゅーか」

横良は内心嬉しくなかった。横良にとっての至福の一時は顧客の口座から資金が流れ出すこと。増えていくのを見るのは面白くなかった。





53 :1:2008/06/29(日) 02:09:30.15 ID:D6m1hC1w
「横良さぁ〜ん」
「なんや、今忙しいんや。見りゃわかるやろ」
「社長からなんですけど・・・。何だかものすごく怒ってますよ」
「ほ、ほんまか?」
横良には思い当たることがありすぎた。

勝手に客の口座から自分の口座に資金を振り込んだり、暇つぶしにレートの配信を不正操作してみたり、
ロスカットされた顧客に感想の電話を入れてみたり、糞ポジをこれまた暇つぶしに建ててみたりと数え上げると切りがない。

もちろん、社長の命令でそうしたこともあったが、9割は趣味の領域だった。もしかしたら司法の手が及んでいるのかもしれない。
すべてを自分のせいにされかねない。

横良はすぐに海外逃亡のシミュレーションを始めた。シンガポールがいいかもしれん。金融市場やったらここよりも儲かるはずや。

社長には豚箱に入ってもらうことにして、その分わしが稼いでやるねんで。




54 :Trader@Live!:2008/06/29(日) 02:10:43.42 ID:cpODst2S
MMOの部分は良く出来てるw ちょっと無理はあるが・・・FXの部分は通貨が良く分からんのと
現実的でないとこが惜しい・・・

55 :1:2008/06/29(日) 02:11:19.93 ID:D6m1hC1w
が、次の言葉を聞いて胸を撫で下ろした。

「トライアルのことらしいですよ」




56 :1:2008/06/29(日) 02:12:30.39 ID:D6m1hC1w
「ほい、横良です」
「お前、そのシステムには自動回収システムがあるとか言って自慢してただろ?」

 剣呑な雰囲気を漂わせながら金毟が横良に言った。

「ああ、あれはさすがにやりすぎだから使うなと、社長自ら言ってたやありまへんか?」
「考えが変わった。今すぐそれをPonzuとかいう雑魚野郎にぶちかませ!」
「まあ、今日やなくても・・・」
「今すぐだ!やれ!」

 金毟のあまりの剣幕に押され、横良はしぶしぶ承諾したが、すぐに心躍る気分へと変わった。
実際のところ、他社が真似できないようなシステムであり思いつきにしては鬼畜で笑える趣味のシステムだったからだ。
試してみたいとは思っていたが、だれがみても犯罪なので使うのを躊躇っていた。

しかし、今回は違う。言質をとっただけでなく、そばで聞き耳を立てていた阿方やらの証人もいる。




57 :1:2008/06/29(日) 02:13:28.77 ID:D6m1hC1w
「しゃあない、気乗りしないけるやるか」
「やるって、何をです?」
大嘘だった。やる気満々だったが、これ見よがしに楽しそうにすると司法の手が及んだときに周りから何と証言されるか分からないからだ。


あくまで横良さんは善人で社長の命令で断腸の思いでやったということを周囲に示しておきたかった。






58 :1:2008/06/29(日) 02:14:23.44 ID:D6m1hC1w
「まずは画面上にある原子力マークの下のボタンを押すんや」
「ああ、それ。さっき押しちゃいまいしたよ。核ミサイルの発射ボタンみたいでかっこいいすね」

 横良は絶句した。同時にブラック企業偏差値70を超える企業に何も考えずに入社するだけのことはあると感心した。

 デスクから百均で購入した直具の三文判を取り出すと、マグロ漁船の労務契約書の作成を開始した。





59 :1:2008/06/29(日) 02:15:21.19 ID:D6m1hC1w
 ふと横良が阿方に尋ねた。
「そのボタン押したのいつや?」
「ツール起動した直後っすよ」

 事の重大さを知らない阿方は事も無げにいった。

「もうマグロ漁船やあかん。今なんぼや?」

阿方からマウスを奪い取ると、素早く操作して自動回収モードの画面を出した。





60 :1:2008/06/29(日) 02:16:19.27 ID:D6m1hC1w
「あかん、利息が1京fen超えとる・・・」

 人の命は地球より重い。この状況でもそれが言えるのだろうかと横良は疑問をもったが、すぐに思考回路を元に戻した。
1京円を返済していくにはマグロ漁船に何回乗れば良いのか?無駄な計算だった。

この国の借金は1000兆fenあると言われている。それが秒単位の利息として積み重なっているのだ。返済できれるとしたらもう神以外考えられなかった。





61 :1:2008/06/29(日) 02:17:18.25 ID:D6m1hC1w
 それでもほんのわずかでも返済してもらわな埒があかん。横良は最も高額とされる契約書を取り出した。
契約書自体はアラビア語だったが、選択項目にローマ字でKAMIKAZEと書かれてあったのでそれを選択した。

後で分かったことだが、これは「聖戦志願兵契約書」らしい。1,000,000,000fenと書かれてあるのは恐らく金額のことだろう。




62 :1:2008/06/29(日) 02:18:17.48 ID:D6m1hC1w
契約書に書かれた電話番号にかけるとすぐに電話が切れた。不審に思いながら横良が電話をもどすと、すぐにコールバックしてきた。
スピーカーからは片言の日本語がたどたどしく聞こえてきた。

「アス オトズレマス カネ ヨウイシマス カミカゼ ヨロシク」
「もしもし・・・」

横良が言葉を発しようとすると同時に通話が途切れた。




63 :1:2008/06/29(日) 02:19:03.27 ID:D6m1hC1w
〜第九章〜

金毟はある程度落ち着きを取り戻すと、再びゲームへとログインしていた。

以前、根架にプレイさせていたアカウントではあるが。もうPK Kingは駄目だった。今まで配下にしてきた厨房たちはすでに他の廃人プレイヤーの配下になり我が物顔で闊歩していた。
つまり、PK Kingでログインしようものなら全プレイヤーから即座に攻撃の対象となるのであった。

それに、チート級のアイテムはゲーム会社が消してしまったらしい。




64 :1:2008/06/29(日) 02:19:41.49 ID:D6m1hC1w
もっとも、金毟にとってPK Kingのことはどうでもよかった。コンソール画面から何度も/find Ponzuでログインしてくるのを待っていた。数時間ほど待ってようやくPonzuは現れた。






65 :1:2008/06/29(日) 02:20:26.06 ID:D6m1hC1w
/find Ponzu
That character is offline.
/find Ponzu
That character is online.
/tell Ponzu
Yumi: omaeno trade kouza bangou ********** daro w ima bakusontyuu nanndatte? ukeruna oi wwww
Ponzu: nanndatte?

すぐに、Ponzuはゲーム内から消えた。ショートピースに火をつけ立ち上る紫煙を眺めた。
今頃、涙目で慌てふためいていることだろう。

金毟は笑いが止まらなかった。ゲームはまた事態が沈静化したらやり直せばいい。何事もなかったかのように、また巨大勢力を作って世界制覇の野望を達成する。

そんな妄想に金毟は耽りはじめた。





66 :1:2008/06/29(日) 02:21:24.13 ID:D6m1hC1w
〜第十章〜

直具は巨大掲示板のBOL/FENスレでその日から固定ハンドルを名乗り始めた。
さっきも、さんざんBOL/FENの神ポジションを自慢し、焼肉を食ってくるという書き込みを残して虚栄心を満足させた。





67 :1:2008/06/29(日) 02:22:11.20 ID:D6m1hC1w
そしてゲーム画面を起動すると自分のトレード用の口座番号をチャットで言ってくる者がいた、しかも大損しているらしい。
直具は高らかに笑った。BOL/FENはいくら下がることがあっても今後数十年間は50.000という値をつけることは確率的に考えてほとんど0に近いからだ。

しかし、口座番号を言い当てられたことはショックだった。




68 :1:2008/06/29(日) 02:23:21.07 ID:D6m1hC1w
直具はトレード画面を起動すると、見たことがない警告ウィンドウが目に飛び込んできた。

原子力マークの横に「追加証拠金発生の警告」という文字だった。確認ボタンを押すと目を疑った。

兆単位の損失が秒単位で刻まれていっていた。合計損失額は直具には分からなかった。

直具は兆以上の数字の数え方を知らない。ただ数字がものすごくならんでいて、億という金額が安く感じる値段であるのは事実だった。





69 :1:2008/06/29(日) 02:24:10.61 ID:D6m1hC1w
すぐに、FXリバース社のサポートセンターに電話した。
「FXリバース社のサポートセンターですわ」
電話の対応にあたったのは横良だった。
「あ、あの、追証の金額が1000兆円を超えてるんですけど、ど、どうしたら・・・いや、何かの間違いですよね」
「ああ、あれはシステムエラーでっから、そのうち元にもどりますやろ」
「本当ですか」
「ほんまですわ。今、技術チームが全力で復旧作業やってるから回復したら電話しますわ。なもんで、そこから動かんでくださいね。すぐ電話するさかいに」
「わかりました」





70 :1:2008/06/29(日) 02:25:01.77 ID:D6m1hC1w
直具は溜飲を下げた。いつもなら「仕様です」の一言で一蹴され、酷いときには「天罰です」とまともに対応してもらったことがなかったため、今回のサポートは神がかり的だった。
しかも復旧したら電話までくれるそうだ。

心からFXリバース社に感謝した。




71 :1:2008/06/29(日) 02:25:57.60 ID:D6m1hC1w
〜第十一章〜

「本当ですわ。今、技術チームが全力で復旧作業やってるから回復したら電話しますわ。なもんで、そこから動かんでくださいね。すぐ電話するさかいに」

横良は焦っていた。万が一にも夜逃げされたら、契約を破ることになるからだ。そのときは変わりに阿方をスタンバイさせることも考えていたが、それだと社内での立場が危うくなる。
自分の部下をイラク人に売ったという評判は致命的だった。

誠心誠意。

このときほど横良はこの言葉を噛締めたことはなかった。





72 :1:2008/06/29(日) 02:26:43.67 ID:D6m1hC1w
直具の口座を弄り倒す阿方に横良は言った。
「もうその口座はいいから、次の手順に移るで」
「いい加減帰ったらだめっすかね。入社日に残業5時間はありえないっすよ」
阿方の言うことももっともだった。だが今はそんなことを言っていられる状況ではない。




73 :1:2008/06/29(日) 02:27:31.27 ID:D6m1hC1w
「今は緊急事態なんや。まあ、3日くらい特別休暇やるから今日だけは簡便してくれ」

出まかせだった。そんなことを勝手に許せば、人事部長の簾から嫌味を何年間にも渡って言い続けられるだろう。

「しょうがないから、手伝いますよ」

明らかに不満げに阿方は言った。その態度に一瞬怒鳴りつけてやろうかと横良は思った。




74 :1:2008/06/29(日) 02:28:30.38 ID:D6m1hC1w
「これから直具をさらいにいく。お前は運ぶのを手伝え」

「それって犯罪じゃないんすか?」

「馬鹿、捕まったら犯罪者やけど、捕まらんかったら犯罪者やないねん」

「そんなもんっすかね」

Fランク私大卒の阿方には思考能力がなかった。そこを見込まれて採用されたわけでもある。横良の滅茶苦茶な理屈を納得したようだった。

横良はロッカーの施錠をはずし、ゴルフクラブのケースを担ぎだすと、阿方を連れて地下駐車場へと向かった。






75 :1:2008/06/29(日) 02:29:20.34 ID:D6m1hC1w
〜第十二章〜


金毟は監視カメラの映像を見ていた。社内の全フロアに設置されてある。

これを見ることができるのは金毟と守衛だけだったが、全フロアの音声や映像を高解像度でみることができるのは金毟だけの特権だった。

もちろん、女子トイレにも設置されているのは言うまでもない。




76 :1:2008/06/29(日) 02:29:58.09 ID:D6m1hC1w
金毟は監視カメラで横良の動きを追った。期待以上の仕事ぶりだった。阿方も先手先手で仕事をすすめている。

しかし武器庫の施錠が横良に簡単に開錠されたことが気に食わなかった。もっと高価で信頼性の高い鍵をつけておきべきだったと、舌打ちしながら後悔した。




77 :1:2008/06/29(日) 02:31:23.75 ID:D6m1hC1w
直具の口座を開いてみる。阿方が建てたむちゃくちゃなポジションのため損失はほとんど270度の右肩下がりがりのグラフを描いていた。

すでに損失は1京fenではなく、9000京fenを越えて1垓fenという前人未到の領域を踏み込もうとしていた。

直具に返済能力があれば、金毟は世界一の富豪としてその名を轟かせていただろう。








78 :1:2008/06/29(日) 02:32:27.22 ID:D6m1hC1w
突然、携帯がけたたましく鳴った。

「金毟だ」

「横良です。これから目標の捕獲に入ります」

「わかった。しくじるなよ」

「ええ、まかせといてください。ただ目標をちょっと引き付けてくれたら・・・」




79 :1:2008/06/29(日) 02:33:15.00 ID:D6m1hC1w
金毟は舌打ちした。恐らく、司法の手が及んだときに自分も巻き込んでおきたいという横良の浅知恵なのは分かりきっていた。
断っても良かったが、横良の策略通りに進んでいると思わせて置くことにした。

すでに横良の異常な性癖や行動などは興信所で調査済みで、FXリバース社の違法行為はすべて横良の独断専行でその責任の全てを擦り付けることにしていたからだ。
ただし、警戒心の強い横良にここぞというときに勘ぐられては困る。


「わかった。何とかする」
「たのんましたよ」





80 :1:2008/06/29(日) 02:34:19.59 ID:D6m1hC1w
金毟はデスクの引き出しからトバシの携帯電話を適当に一つ選んで、直具の携帯番号を入力した。

「もしもし」

覇気のない直具の声が伝わってきた。

「俺だ」
「だれだよ」
「PK Kingって言えばわかるか?」
「・・・」

「ついさっき、兵隊をお前のところへ向かわせた」
「リアルPKってか。お前おかしいよ」
「おかしくはないさ。それよりもお前トレード画面みてみな。損失が拡大してるよ」
「そ、そんなことは・・・」

キーを叩く音。そして何かが倒れる音と携帯が床に落ちる音が聞こえた。





81 :1:2008/06/29(日) 02:35:26.77 ID:D6m1hC1w
〜第一三章〜

 直具の家の真正面に車を横付けして横良は中の様子を伺った。

 下からでは中の様子はわからなかった。ただ2階に明かりがついていたので中に人がいるということは分かった。
それで十分だった。





82 :1:2008/06/29(日) 02:36:22.38 ID:D6m1hC1w
「これからわいが、直具を捕まえてくる。お前はここで見張ってろ」
「もう疲れたっすよ」

 横良は愚痴をこぼす阿方を無視してゴルフケースから麻酔銃を取り出した。本来は虎や熊の捕獲に使うらしい。




83 :1:2008/06/29(日) 02:37:04.39 ID:D6m1hC1w
 横良は銃を担いで庭壁をよじ登り、パイプを伝って2Fの窓のそばで待機した。そっと中を覗き込むと、直具らしい男がオナニーをしていた。
チャンスだと思った。窓の冊子をほんの少し開けて、引き金を引いた。





84 :1:2008/06/29(日) 02:37:45.45 ID:D6m1hC1w




















 しかし、外してしまった。部屋の壁にアンプルが突き刺さっていた。小説のように簡単に当てることはできないと横良は痛感した。あとは、実力行使しか手はなかった。

85 :1:2008/06/29(日) 02:38:32.71 ID:D6m1hC1w
 携帯を取り出し、金毟メモリーを選択すると呼び出しボタンを押した。

「金毟だ」

 横良は直具の気を引いて欲しい、つまり陽動して欲しいと頼んだ。すんなりと承諾する金毟。
麻酔銃の狙撃が失敗したことを問われないかと心配したが杞憂に終わった。

横良は拍子抜けしたがとにかく次のチャンスを待つことにした。




86 :1:2008/06/29(日) 02:39:22.20 ID:D6m1hC1w
直具はすでに事後であり、部屋の中を落ち着き無く歩き回っていた。幸いにもアンプルには気が付いていない。
すぐさま直具の携帯が鳴った。横良にも直具の動揺が見て分かった。

そして直具がPCのモニターを覗き込んでるそのさなかに、窓から侵入し銃の柄の部分で背後から直具の後頭部を殴りつけた。

あとは簡単だった。阿方を窓の下に呼び直具を受け止めるように指示した。そして車のトランクに押し込んだ。





87 :1:2008/06/29(日) 02:40:18.09 ID:D6m1hC1w
〜第十四章〜

地下駐車場に戻ると横良はマイルドセブンに火をつけ深く吸い込んだ。
体中にニコチンが染み渡り至福の一時を得た。このとき横良はゴルゴ13の気分に浸っていた。


しかし、その気分も阿方の言葉によってかき消された。




88 :1:2008/06/29(日) 02:41:03.99 ID:D6m1hC1w
「あの人たち、誰っすか」

阿方の指差す方向には、剣呑な雰囲気を漂わせたイラク人の集団がいた。


横良はすぐに車から降りると、トランクを開けて直具をずだ袋に入れて引きずりながら運んでイラク人の集団に近づいた。





89 :1:2008/06/29(日) 02:41:44.78 ID:D6m1hC1w
「ハ、ハローォ」

場違いな挨拶。

「余計な気を回さなくてもいい。君たちの言葉は分かる」

イラク人の一人が言った。その男はどうやらリーダーらしかった。アル・サイードと名乗った。





90 :1:2008/06/29(日) 02:42:21.00 ID:D6m1hC1w
横良は金毟に携帯をかけた。

「あの〜、イラク人の客人が来てるんですが」

「分かっている。ミーティングルームに案内しろ」




91 :1:2008/06/29(日) 02:43:05.38 ID:D6m1hC1w
横良はサイードらをミーティングルームに案内した。

「納期っていうのかな。ギリギリだったみたいだね」
「へぇ・・・まあ」

冗談っぽく聞こえたが、サイードの冷たい目は笑ってはいなかった。直具の捕獲に失敗していたらと考えると横良は背筋が凍りついた。

「何?こいつらバイト?」

阿方は相変わらず事態を把握していなかった。







92 :1:2008/06/29(日) 02:43:46.27 ID:D6m1hC1w
〜第一五章〜

ミーティングルームはバルサンを炊いたかのように、ドライアイスの濃い煙に覆われていた。

「取引は本当にここなのか」

「へぇ」

サイードは横良に尋ねた。




93 :1:2008/06/29(日) 02:44:13.07 ID:D6m1hC1w
「よく来た。迷える子羊たちよ」

部屋中に響き渡る、重低音のBGMとともに金毟の腕組み10mホログラフィーが現れた。

「何だ・・・あれは?」

呆然とするサイード。




94 :1:2008/06/29(日) 02:44:53.67 ID:D6m1hC1w
横良はすでに床にひれ伏していた。阿方も分けが分からないといった感じで床にひれ伏していた。

「私はこの地の神である。横良よ、直具を解放しなさい」

横良は直具をずだ袋から出すと、何度もビンタを食らわせた。意識を取り戻す直具。




95 :1:2008/06/29(日) 02:45:23.64 ID:D6m1hC1w
「どこだ・・・ここは」

横良は直具を無理やりひれ伏せさせた。

「んだよ、おっさん。ぶっ殺すぞ」

直具は抵抗したが、ホログラフィーを見て息を呑んだ。




96 :1:2008/06/29(日) 02:45:55.59 ID:D6m1hC1w
「直具よ。よく聞け。お前には神罰が下った。その報いを受けなければならない」

「分けわかんねぇよ」
「PK Kingは私の化身でもあるのだよ」
「え・・・」




97 :1:2008/06/29(日) 02:46:27.68 ID:D6m1hC1w
「何のことだか良く分からないが、我々は手短に取引を成立させたい。時間を無駄にしたくないのだ」

苛立たしげに、サイードが言った。

「分かった。直具をつれていくがよい」
「では、これから入金する」




98 :1:2008/06/29(日) 02:46:48.11 ID:D6m1hC1w
金毟は振り込まれた金額を確認した。
「取引は完了だな」
「うむ」

喚き散らす直具をイラク人の集団は連れ去っていった。




99 :1:2008/06/29(日) 02:47:27.84 ID:D6m1hC1w
〜最終章〜

あれから数年後、FXリバース社は業界のトップに躍り出て、宗教法人格の取得にも成功していた。
もはや、国家内国家という地位にまで上りつめていたのだ。

横良と阿方はあの事件以来、金毟からの信頼を取り付け、社内でも飛ぶ鳥を落とすような勢いだった。
金毟もゲーム内での地位を取り戻し、さらには現実社会で教祖と呼ばれるようになっていた。




100 :1:2008/06/29(日) 02:48:02.89 ID:D6m1hC1w
「阿方さん、sum以外の関数を知りたいんですけど」
「Excelはsumだけ知ってりゃ十分なんだよ」

阿方とその部下の会話。進歩は見られない。

横良は相変わらず顧客と信者の口座からばれないように自分の口座へと資金を流す日々を繰り返していた。




101 :1:2008/06/29(日) 02:48:36.18 ID:D6m1hC1w
休憩室から社員たちのどよめきが聞こえてきた。
すぐに、血相を変えた社員たちが自分の荷物をもって外へと避難していた。

横良は作業を中断して、休憩室のテレビを見てみた。




102 :1:2008/06/29(日) 02:49:09.59 ID:D6m1hC1w
臨時ニュースで中東の武装組織が核攻撃を行っているという内容だった。
テレビには犯行声明文を読み上げる直具の映像が繰り返し流されていた。

おしまい♪








103 :Trader@Live!:2008/06/29(日) 03:01:02.38 ID:7vRVhaFb
最後がよくわからない

104 :Trader@Live!:2008/06/29(日) 05:34:50.90 ID:zDI5F0eZ
http://www.ustream.tv/channel/hentai-games-play
エロゲー


105 :Trader@Live!:2008/06/29(日) 12:38:08.70 ID:zzSaK7/X
もう少し為替の事勉強してから小説書いてくれ・・・・



106 :Trader@Live!:2008/06/29(日) 13:12:10.58 ID:MCfT+kqU
ほとんどわけわからんし、最後は核オチかよww

107 :Trader@Live!:2008/06/29(日) 17:24:43.88 ID:GDeRdPbV
面白さ   あたたたた
読みやすさ あたたたたた
板違い   あたたたたたたたたたたたたた

108 :Trader@Live!:2008/06/29(日) 20:41:31.87 ID:WdknxEXI
スレの無駄遣い 阿多多々たたったたたったたったたったたたたったたたたったった

109 :Trader@Live!:2008/06/29(日) 21:00:43.91 ID:BnzGJZo0
ログ落ちしてなければ、来週半分ぐらい読む

110 :Trader@Live!:2008/06/29(日) 22:41:26.84 ID:StYIXSTE
これは最悪につまらないオチ。
自動回収システムで損が膨らむ仕組みがわからない。
今後自分の作品を公開するのは止めたほうがいい。

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